「指す」こと

この記事は2022年末の「ベクトルタイルをはじめとする、スマートなウェブ地図技術」のアドベントカレンダーに参加しています。2021年末には、世界を写し取るという視点からデジタル地図について考える記事を書きました。

今年は、ものを「指す」について考えます。

指すことについて

2022年、折にふれて「指す」ことについて考えました。

  • デジタル地図において、何かを指すことは難しいのだが重要だ
  • 物を指すことと、位置を指すことは、同じではないがかなり似ている
  • 人と世界の「指す」には違いがあり、乗り越えることが必要だ
  • 人間と機械が「指す」を共有すると何が起こせるのか

この記事では「指すとはなにか」を考えたあと、「ものを指す」と「位置を指す」の関係を整理し、人間と機械が「指す」を共有すると世界の成り立ちはどう変化し改善するか、その実現に向けて私がCOOとして働く会社 Geolonia (ジオロニア) が何を試行錯誤しているかを書きます。

私は、オープンソース、ウェブ開発、クラウド技術の世界で開発も少々できる営業として15年間やってきました。この記事は、Geolonia の創業者 CEO の宮内の提案するエンジニアリングのコンセプトを理解し、他者に説明し、セールスし、プロジェクトを進行させるために考えてきたことです。当たり前のことを書いているようにも見える一方、地に足のついた、誇張や嘘のない話です。普段プログラミングに接することのない人が理解できるよう、言語化やビジュアライズをして、技術的な内容の人文的な、普段の言葉使いでの説明を試みます。

目次

「指す」とはなにか

「指す」とは、どういうことでしょうか。

海の向こうの岸を指差す
男木島から対岸の陸を指す
海の向こうの岸の上に浮かぶ雲を指差す
その上に浮かぶ雲を指す

私の住む男木島から高松に向かう途中、対岸の陸地、その上に浮かぶ雲を指しました。指を使い、自分の目から見た視線の先、奥にある物体と重ねて撮影すると指して見えます。「指す」は指などの長いの方向を延長して物体にあてることです。

子どもに本を渡し、「男木島はどこかな?」と聞いてみます。

小さな子供の手が地球儀の絵の日本を指している
次女(5才)は日本のあたりを指した
小さな子供の手が日本地図の瀬戸内海あたりを指している
長女(中1)は「描いてないね」といいながら瀬戸内海を指した

次女(5才)は、初めて見た丸い地図に面食らっていたので「日本はここだよ」と教えると「じゃあ、ここ!」と、日本の下半分を指し、長女(中1)は「このへん」と高松の上のあたりの海を指差しました。

人さし指と、「ここ」「このへん」という位置を示す言葉を使っていました。

自分でも男木島を指してみました。

地図の男木島を鉛筆の先で指している
男木島を鉛筆の先で指す
デジタル地図の男木島をマウスカーソルで指している
マウスカーソルで男木島を指す

指で指すとあやふやなので鉛筆の先でやってみたのと、マウスカーソルでもやってみました。先が尖ったものを使いたくなるのは、面積全体から小さい部分を指すためです。

指すことは、無限の選択肢の中から一つを選びとる行為です。

ちなみに辞書の定義

辞書の定義を並べます。

ある人やある物事を、これと決めて示す。

小学新国語辞典

(指・針など)細長いものの一方の端をまっすぐ延長した方向が、問題にしている(ものが在る)方向と一致する。(狭義では、人さし指で指し示すことを言う)

新明解国語辞典 第七版

指などで目標とする物や場所・方向を示す。指さす。

goo 辞書weblio

以下は話題の2022年話題の AI、ChatGPT に聞いてみた結果です。

私「「人間が、物を指す」とはどういうことですか?」
ChatGPT「「人間が物を指す」とは、人間が身体や手を使って、自分が意図する物や場所を指すことを意味します。例えば、「その絵を指してください」と言われた場合、自分が見ている絵を指すようにします。また、「その本を指してください」と言われた場合は、自分が見ている本を指すようにします。これは、人間が身体を使って自分が意図する物や場所を特定することを意味します。」

「人間が身体や手を使って自分が意図する物や場所を特定すること」という定義がきちんと書けています。

「指す」を図解すると?

図を描いて、構造を把握し理解を深めましょう。

「人」が、「対象」を、「指す」。りんごを指していて、マグカップと人参は指していない。
英語のほうが分かりやすくて、 A man points at a thing. で絵と同じ並びになる。

主体、行為、対象に分かれる

「指す」を絵にしてみると、

  1. 人 = 指す主体
  2. 指す行為
  3. 物体、指される対象

の3つの要素があることに気がつきます。逆に、「指す」ためには、指す人、指す行為、指される対象の3つが揃わないといけないことも分かります。どれが欠けても指せません。SVO構文です。

目的は「誰かに示す」ことなので、外側にもうひとりいる

行為とその主客があることに加えて、「指す」行為の外側に、それを見るべき第三者がいます。指すことの目的は、誰か他の人に対して対象の存在や場所示すことだからです。

たとえば、「これ買って」とお菓子を指す子どもは私に対してポテトチップスを特定しています。「目的のお店はこちらです」と地図や方向を指す交番のおまわりさんは、道に迷った人のために道を示します。自分ひとりしかいない空間で、りんごを指す人がいないのは無意味だからです。

指す行為の外側に、対象を特定して伝える相手が必ずいる。指すのは分かってもらうためだから。
人は、誰もいない部屋で一人、りんごを指差すことはない。

次の絵は、真実のありかについて議論している場面です。

ラファエロ・サンティ『アテナイの学堂』のプラトンとアリストテレスの抜粋
左がプラトン、右がアリストテレス

左のプラトンは指を使って上を指し、右のアリストテレスは手のひらを使って下を示しています。真実は、「天のイデア」にあるのか、「地、現実の世界の実践の中」にあるのか、それぞれの主張が絵に落とし込まれています。

上下をお互いに対して指すことで、対話が成立しています。

指す人(プラトンとアリストテレス)、指す行為(指と手のひら)、指されるもの(天と地)、示す相手(議論相手)の4つの要素が揃っています。議論、伝える、対話するためにも指すことは大事な行為です。

言葉で「指す」

言葉や文字を使って物を指す方法を挙げます。

  1. 名前: 東京タワー、株式会社 Geolonia、ミロのヴィーナスなど、名前がついていて一つのものに決まるとき
  2. 複数の条件の組み合わせ: 「爆笑田中」と「ココリコ田中」と同じ田中さんをコンビ名と組み合わせて区別特定するなど
  3. 指示語、指示代名詞: 「これ、それ、あれ」「こちら、そちら、あちら」などで指す
  4. 番号やアカウント名: マイナンバーやパスポート番号、Twitter の アカウント名やメールアドレスなど、この世に一つしかないことが前提になっている言葉や数字を使って指す。

指やカーソルで物理的に指すのではなく、言葉で指すこともできます。このやり方の方が多いです。言葉によるコミュニケーションは対象特定の連続でもあります。

これが可能になるのは、主体と第三者が言語や文脈を共有しているからです。

下の図では、「あの」や「りんご」という言葉を、二人が知っている必要があります。

指や手で指す代わりに、言葉で指すときにも、指す人、指されるもの、発話という行為、第三者がいる

言語を共有しています。外国語だと分からない。「名前で指す」が最もベーシックで、外国語の学習者があいさつの次に習うのが、主に名詞とその使い方であるのも、特定のためにまずは対象を言葉で指し、相手に伝えることが一歩目だからです。

次に、この2人が共有している文脈を濃くすると 2(複数情報で指す), 3(指示語で指す)になります。

複数情報は、ココリコ田中とか爆笑田中などのような、掛け合わせ検索のようなイメージです。また、明示されていない情報が欠け合わさることもあります。「西川伸一」さんは世界に複数いますが、私自身、卒業式で「西川伸一」と先生に呼ばれて「もしかして、他の西川伸一さんのことを指している可能性はあるかしら?」などと考えないのは、言葉によらない文脈が共有されているためです。そうした文脈を雑に利用できるのが「あれ・これ・それ」などのコソアド言葉。「アレとって・アレやっといたよ」で通じてしまいます。

曖昧さを避けるために決まりや仕組みを組み上げると 4(ID等で指す)になります。番号やアカウント名、IDの考え方です。デパートで「横浜 お の 12-34 のお車でお越しのお客様」と呼びかけるときや、iPhone が故障したときにAppleのサポートサイトでシリアルナンバーを入力するとき、「このお客様」や「この iPhone」が特定されます。場や文脈への依存を避けて、国土交通省やAppleがリストを作って管理しているという、システマチックでコンピュータに近い言葉の使い方です。

位置を指す ≒ 物を指す

物を指すのと、位置を指すのはよく似ています。

突然ですがこれを読んでいるあなた、右手で左手を指してください。今あなたが指したのは、手の位置ですか。手そのものでしょうか。

「日本はどこ?」と世界地図を示されて日本を指している人は、日本という物体を指しているのか、世界の中での日本の位置を示しているか。

ケーキ屋さんのカウンターで「これください」とショートケーキを指さすとき、店員さんがショートケーキとモンブランを識別するための鍵にしているのは位置です。違う個体は違う大きさと形を持ち、同時に同じ場所には存在していないからこれができます。

位置を指すことと、物を指すことは、行為としてはかなり似ていて、見分けがつきません。

物を指すために位置を指している位置を指すことで物を指している

機械に対して指し示すには?

人間が機械に対して対象を指し示すには、おおむね以下のような状態になります。

指して情報を取り、プログラムに渡すことで、プログラムはものを扱ったり、その情報を利用してなにか別のことを実行できる

① の「指す」は、ID で指定、データベースでの検索、オブジェクトの作成といった形になります。② の「情報」は、機械が読み取れるテキスト情報です。IDのみだったり、付随する情報がくっついてきたりします。それを、 ③ プログラム(ソフトウェア、アプリ、AIなど)に渡します。④ プログラムはその情報をもとに、さらに自ら取得したり、扱ったり(書き換えたり属性を追加したり消したり)、その情報をアプリやソフトウェア上で利用したりします。

人間同士は場、文脈、言葉を共有して指しますが、機械やコンピュータが相手の場合、対応する共有物はプログラミング言語、さまざまな標準(規格、決め事、プロトコルなど)、API のドキュメンテーションなどです。

人の「指す」と機械の「指す」 / 人間界の「指す」とデジタル世界での「指す」

人間世界で「指す」と、機械(コンピュータ、ソフトウェア、アプリケーションなど)の世界での「指す」の大きな違い3つ挙げ、それぞれの課題を整理します。

  1. データがない / 指す対象が無い
  2. ちょうどよく指せない
  3. データにも大きさがあり、通信が必要

1. データがない / 指す対象が無い

違いの一つ目は、りんごの部分です。現実の世界では、物理的なりんごはもともと存在していますが、デジタルの世界ではこのりんごをデジタル情報として再現しておかないと、指すことができません。

りんごの特徴を記述するとこんな感じになるのでは

右側にあるのが、りんごをデジタルに再現したときの様子です。機械がプログラミング言語でりんごにアクセスしたときに得られるとよさそうな情報をリストアップしました。オブジェクトというのは、プログラムが扱う対象(もの、人、こと)の呼び方で、属性情報、機能などで構成されます。

こうした情報を、あらかじめ決められた形のデータ(構造化されたデータ)として作成するのがデジタル化で、インターネット越しにその情報を読み取れるようにするのがWeb API化です。

「構造化されたデータ」のサンプルとして、次の文字列を見てください。Geolonia がデジタル庁による空間ID(3次元空間上の位置等を一意に特定する新しい方式)の実験プログラムのために用意したものの一部で、国土交通省が用意した3D都市モデル PLATEAU の建物データに、民間の企業が提供している建物名データを組み合わせています。

coodinates として建物の形(緯度経度座標をいくつもつなげて2Dの形を表現しています)を、properties として、住所、ビル名、建物の面積や高さなどの情報を、機械が読みやすくて世界中の位置情報システムで使われている GeoJSON のフォーマットで記述しています。

{
  "type": "Feature",
  "geometry": {
    "type": "Polygon",
    "coordinates": [
      [
        [
          139.73040081560612,
          35.632366659777006
        ],
        [
          139.73051950335503,
          35.63234540454198
        ],
        (...中略...)
      ]
    ]
  },
  "properties": {
    "ビル名": "山形ビル",
    "ビル名読み": "ヤマガタビル",
    "丁目・字名": "2",
    "市区町村名": "港区",
    "町・大字名": "白金台",
    "都道府県名": "東京都",
    "建築物::住所": "東京都港区白金台二丁目",
    "建築物::計測高さ": 12.4,
    "住居番号・枝番名": "8",
    "街区符号・地番名": "25",
    "建築物::汎用属性::建物ID": "13103-bldg-1266",
    "建築物::建物利用現況::調査年": 2016,
    "建築物::建物利用現況::図上面積": 125.165,
    "建築物::建物利用現況::地域地区": 10,
    "建築物::建物利用現況::市区町村": 13103,
    "建築物::建物利用現況::都道府県": 13,
    "建築物::拡張属性::LOD1の立ち上げに使用する建築物の高さ": "2",
    "建築物::城南地区河川流域浸水予想区域(改定)(想定最大規模)::規模": "L2",
    "建築物::城南地区河川流域浸水予想区域(改定)(想定最大規模)::浸水深": 0.016,
    "建築物::城南地区河川流域浸水予想区域(改定)(想定最大規模)::浸水ランク": "1",
    "_layer": "plateau_bldg"
  },
  "id": 1266
}

デジタル地図上のある建物をクリックすると、そこにある物体の情報が上記のテキストで得られます。この例では、面積、高さ、住所、防災情報などが分かるので、防災、マーケティング等のアプリで使えそうです。カッコやコロン、カンマなどで仕切られた書式は JSON というプログラミングで標準的に使われるフォーマットで、位置情報の業界では位置と属性を示すために GeoJSON という形を用いるのでそれに従っています。

この仕組みがあればコンピュータプログラムが建物の情報を取得して課題を解決するアプリやロボットを作ることができますが、そのためにはデータの整備が必要なのです。街は勝手に存在していますが、デジタルデータは誰かが作らないといけません。

次の例は、Geolonia が香川県高松市で都市情報API開発中に作った資料の一部です。地図のある地点を指すことで、以下のような情報を取得することができます。

高松市のある地点を地図上で指すと、その位置に関する行政情報が取得できます。道路、都市計画基本図、避難所、保育所など百種類以上の位置情報データを追加することで、都市情報を取り出しプログラミングができるスマートシティ地理空間情報基盤として機能させることを狙っています。

このケースでも、できるだけ多くのデータを作成する必要があります。

「データはある」と言う会社は多いが、それをすべてリアルタイムでキカイが読み込めるようにデジタル化しており(= machine-readable)、少なくとも社内向けにAPIができている会社はどのぐらいあるだろうか。APIがないというのは、家の玄関まで水道管は来ているが、蛇口がないのと同じである。

『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』 安宅和人

この引用は、私がアンバサダーも務めている書籍『シン・ニホン』からのものです。AI時代の到来のためには下準備としてデータを作りAPI化しないといけないという課題です。データを作るのにはコストが掛かりますので賢くやる必要があります。高松市の例では既存の地図データをapi用に変換することでコストを下げています。

2. ちょうどよく指せない

人間と機械による「指す」の2つ目の違いは「指す」の解釈です。機械はあいまいに、ちょうどよく、文脈に従って解釈することが苦手です。

たとえば、テーブルの上のりんごを指したときに、日本を指していると勘違いする人間はいませんが、機械は勘違いします。理由は、「指す」が点であることです。緯度と経度、時々標高などです。

全部同じ座標

座標は点なので、機械は地球を指しているのか、日本、男木島、家、キッチンテーブル、その上のりんご、りんごのへたについた水滴の元素のいずれを指しているのか分かりません。大きさやスケール感、伸縮自在な解像度の概念をもつ、別の指し方が必要ということです。

機械にとって認知可能な存在方法にとって、専有している面積や体積、大きさが重要というのは、「デジタルなのに具体的」でおもしろい。質量や体積などを持たないという性質を持つ「点」は実際には存在せず、存在するものはすべて体積があること繋がっています。

3. データにも大きさがあり、通信が必要

3つめに、データには大きさがあるという違いです。この違いは、データがインターネットを介して通信されることを踏まえると重要です。

位置情報のデータは大きくなりがちで、ギガバイト、テラバイトなどの単位がよく出てきます。何かを指すたびに、ギガバイトの大きさのデータを送ったりダウンロードしたりするわけにはいきません。必要な分だけ、できればキロバイトの単位で送ったり受け取ったりしたい。

この部分では、デジタル地図の技術が役に立ちます。グーグルマップなどの地図サービスを使うとき、世界中のデータをダウンロードしないのと同じです。地図技術を応用することで、世界のデータから今必要なデータを取り出すことができます。

指すことは世界を切り取ることであり、世界を切り取る方法は、地図技術ですでに実装されています。

機械判読可能な世界の構築

はじめに「指すって何?」という興味から、人が人に対して対象を指し示す方法を考えました。人と、対象物があり、指す行為で、誰か他の人に対象物を指し示すことができる。指すためには、指を使ったり、言葉を使ったりすることができ、言葉を使うときには、場、言葉、文脈が共有されている必要がある。また、ものを指すことと、ものの位置を指すことは、見分けがつきにくく、ものを指すために位置を指すことが使われることを確認しました。

次に、機械に分かるように指すこと、そのために必要な前提(プログラミング言語や標準を共有すること)を、人間のやり方と並べて理解していきました。

課題として、機械判読可能な状態のデータを用意する必要、物にはスケールの大小があるので解像度を持ったうまい指し方を実現する必要、膨大な世界データから指した部分 = 必要十分なデータを高速に送受信する必要について述べました。

また、事例を交えながら、既存のデジタル地図技術と位置情報資産を利用することで安価に、膨大なデータを作り、必要最小限を送受信できる仕組みについて説明しました。

デジタル世界を経由してあらためて「指す」について

デジタルの世界では「指す」ことでその情報を得られます。人は、指すとき、指されたものを見たとき、これらの情報をざっくりと認識しています。

デジタルではあらかじめテキストや数値、種類分けを行ったデータが必要でした。人は、赤い、美味しそうなど、必要に応じて知覚から情報をうまく取り出します。

「指して情報を取る」仕組みを考えると、人にとっての指すは、興味・関心・問題意識の具体化・行為化です。世界という全体から、関心(不動産価値、災害への備え、消費者の分布、都市の構造理解など)のある情報を取り出すために、指します。

また、デジタルの「指す」を点検すると、点で指すだけではなく、線、面、立体を指し、スケールの大小も意識して指す仕組みがあることが分かりました。一方で人は気軽にホイホイ指します。人には、世界全体から対象となるものを切り取り理解する能力が備わっているからこそ指すことができていることにも気が付きます。

「位置を指すことで対象を指す」を考えると、物体は一般に位置を持っていること、その位置を上手に扱えば人に近い「指す」を実現できました。その視点から人の世界を振り返れば、フィジカル、リアル、現実、具体の世界は、ものがそこにありどこかに位置している当たり前の事実に戻ります。「指す」はその世界への人間の関心から始まるアクションの一歩目です。

Geolonia に参加してから1年ほど、「位置情報の会社です」と口でいいながら「位置情報に詳しい、位置情報がわかる、位置情報が使える、課題解決を考えられるって、どういう状態なんだろう?」という疑問がありました。どういう勉強や修業をすると位置情報を自在に扱ったりできるのだろう?と思っていました。

位置の仕組みを技術的に探求・エンジニアリング・応用することと、人や社会の興味関心、便利と安全への希求をいったりきたりすることが、位置情報技術を使ってサービスの開発をするための認知を鋭くする方法であり、「指す」ことはその真ん中で、人と世界、機械と世界、人と機械のインターフェイスとして機能していることが分かります。

Geolonia (ジオロニア) のミッションは「現実世界のすべてをデジタルデータとして構造化し、持続可能社会の実現に貢献する。」というものです。

Geolonia のトップページ

現実をプログラミングすることができ、人間がソフトウェアやAIの力を借りて、安全、便利、幸福を最大化する方法を突き詰めます。宮内のおもしろ語録に「現実世界をCIする」、「デジタルがフィジカルを追い越す」というのがあり、その状態に近づきたいです。

興味を持っていただいた方は、 https://geolonia.com/contact からお問い合わせもお待ちしております。

最後に、以下のようなブログ記事を今後も書いていきたいというリストを挙げて、終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

  • 可視化について、一周回ってもう一度考える
  • 「指す」の周辺の英語がおもしろい。
    • 主体と客体と指す行為を表す SVO の O は Object なのだが、プログラミングでもモノをオブジェクトと表現する
    • 五文系のSVOOやSVOCで「主体(S)が客体())を第三者(O/C)に指し示す(V)」を記述できる
    • 「これ」は英語で this だが、これもプログラミングでオブジェクトが自身を指すときに this という
    • デジタル地図は、位置にインデックスがはられた世界データベースであるが、人差し指のことを index finger と英語でいう
    • 指すを "point at" というが、point = 点 なのもおもしろい。"point out" は指摘するの意味だが、興味関心を示すことをpointで表現するのがおもしろい
  • 住所について。位置を指しているのか、物件を指しているのか、あいまいである。位置を指しながら物件を指そうとする、今回の「指す」と似ている
  • 「指せる = 位置を知っている = 存在についてある程度しっている」をうまく利用して認証のようなことができないか
  • CEO 宮内が言う「デジタルが現実を追い越す」がおもしろいので考える
  • スマートシティ、都市OS、行政DXの文脈と、地理空間情報の掛け算を考えるための事例集
  • オープンソースやマイクロサービスアーキテクチャーの話
  • AI。よく分かっていないので要勉強
  • 東大豊田先生のいうコモングラウンドについてもっと知って深堀りしたい。議論の説明のためのおもしろい図がいっぱいある。
指すことについて

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

コメント

コメントする

目次